ふゆののおおいしとやえざくら
大石のあるこの地は「冬野(ふゆの)」と呼ばれ、その語源はミタマノフユ(恩頼)から来ていると言われています。恩頼とは 神様の神秘的な御力や恵みのことで、フユは「振る」「殖ゆ」がその源であるとされており、神の御霊に触れて神の威力や助けを得る言葉と言われています。
元々 冬野は湧水が豊富な水源の地であり、山の神様が降臨される所として古くから大切にされてきました。この大石に触れてお祈りすることで、無病息災、五穀豊穣と、この地の平穏を祈願してきたと言い伝えられており、山の神様が降りて来られる3月16日と、山にお帰りになる11月16日の年に2回、地域住民によって祭事が行われます。
なお、山の神が宿る大岩とも呼ばれ、大きな白蛇が住んでいたとも伝えられています。
また、大石の近くにある八重桜は、平成14年(2002年)、別所池のほとりに桜が植えられた折、根も少なく弱々しい一本のサクラの苗が捨てられていたのを可哀想に思った当地主がこの地に植えたものです。
今では大きな一本桜に成長し、春には見事な花を咲かせ、訪れる人々の心を和ませています。